建物や空間を新しく施工したとき、その美しさをいかに長く保つかということに興味をもつ人は多いと思います。
この感覚は特に日本人の美意識とも関連していて、多くの人は新築時のように美しく、長くその空間を維持したいと考えているはずです。
大理石や御影石などの石材にまつわる汚れやトラブルはつきもの。
適切な使い方や保護処理をしなければ、石本来の状態を維持することは難しくなります。
固くて頑丈な石も水を吸い込みます
石が扱いにくい最大の理由は、水を吸収してしまうことにあります。
「石は硬い」というイメージをおもちの方も多いと思いますが、実は石には気孔という細かい穴があいています。
これはすべての石に共通することです。
もちろん石の種類によって吸水率は異なりますが、すべての天然石が吸水性をもっています。
この気孔に汚れた水や油などの液体が入り込むと、石は汚れてしまいます。
汚れが表面だけであれば拭き掃除で落とすことができますが、石の中に入り込んだ汚れは簡単には落とせず、美観を損ねる原因になります。
建築物の出入り口は 適切なメンテナンスを怠ると 雨風の影響で 床 壁表面に水垢 その他の汚れがが堆積して 黒ずんでしまいます。
石の美観を保つには、水分の侵入を防ぐことが大切!
先ほどお伝えしたように、石の美観を維持するには「石が吸水性をもつ」という部分に対処することで解決に近づきます。
具体的には、「石に水分が吸収されないように吸収経路を塞ぐ」ということです。
一般的に、対処の方法は2種類あります。「裏面処理」と「表面処理」です。
裏面処理
石の裏側に樹脂の被膜をつくり、裏側からの水の吸収を防ぐものです。
この方法は、石材が直接水分に触れる床面に使用されます。
石の裏側で水分との物理的な接触を遮断しているので、吸い上げ防止には有効ですが、石材の細かい部分の処理が難しく、小口と目地から水分が染み込み、濡れシミやエフロレッセンスを発生させることがあります。
表面処理
石材表面に溶液を浸透させることで、石材表面に浸透防止層を形成します。
石材表面から数ミリのところに層を形成して保護し、表面からの汚水の侵入を防ぎ、裏側や小口からの水の吸い上げを浸透防止層の手前でシャットアウトします。
表面に含浸層を形成するため、石種によっては外観が変化する場合がありますので、この処理をご検討される場合は、まずはサンプル塗布をお勧めします。
汚れ防止には 石材表面に保護膜を形成する コーティング剤と 石材内部に浸透して汚れを防ぐ浸透性保護剤があります。
建築物の用途に 応じて使い分ける必要があります。コーティング加工 浸透性保護剤処理を行う事で建築物の汚れを防ぐだけではなく 長寿命化にもつながります。
適切なメンテナンスを行う事で 建築物の美観の復元 不動産価値の向上の お手伝いをさせていただきたいと思います。